あしもとのあお

あっちで魚が笑ったよ。

一等星

夏が終わるねって、あなたは少し憂鬱げにこぼしたから、じゃあ夏はいつ始まったの。なんて聞き返すことも叶わなかった。

太陽が海にのまれた向こう側で、また新しく地平線を迎えた何処かの国に悲しみはありましたか。あまりにも小さすぎるこの星に、ぼくたちはたくさん生まれてしまったから、なんとなしに触れ合ってしまった手と手が繋がって、それを愛と呼べてしまえたんだ。
朝がきて、夜を迎えて、毎日は簡単に死んでいってくれるから、わたしはまだ上手に今日を殺すことが出来ないんだ。

海の向こう、明日よりもこちら側、空に高く高く伸びていく一筋の雲が、どうかあなたに届きますように。

 

 

踏切

 

傘をさす、いつもの横断歩道のこちら側で、
「またあした」を綺麗に言えなかったからぼくはまだ子供なんだ。
今日もまた、明日がくることを疑わずに生きていられた。


わたしたちの生まれたこの世界があまりにも小さ過ぎたから、たまたま繋がってしまったこの手と手を、いつか離さなきゃいけないよ、
石ころひとつ分の愛を、君は力一杯投げつけたね。


雨が降ったら何が消えるの、街の音が遠くで聞こえた。音と音の隙間が広がって、寝息のように溶けてしまいたかった。


暗闇がきれいに街を灯す。


想い出がまた、夜を飾った。